シンクライアント端末はデスクトップ型・モバイル型・USBデバイス型・ソフトウェアインストール型の4種類に分類されます。ここでは、それぞれの特長やメリット・デメリットについてまとめました。
シンクライアントはデータ処理のほとんどをサーバー側で行うことでハイセキュリティを実現する仕組みです。端末側には高いスペックは要求されないため、自社の環境に合わせて最も導入しやすいものを選んでください。
デスクトップ型PCの本体と同じような形状をしています。業務用アプリケーションなどはインストールされておらず最小限の機能に抑えていますが、シンクライアント端末の中ではスペックが高いものが多いです。
大きさは一般的なPC(FAT PC)よりも小型・薄型の割合が高く、専用OSやWindows OSが搭載されています。さまざまな機器と接続するインタフェースがあるので拡張性が高いですが、重さがあるため持ち運びには不向きです。
形状は薄型ノートPCと同じで、大きさもコンパクトなので持ち運んで使用するのに向いています。機種によっては専用インターネット回線が利用できるものもあり、会社と自宅の両方で使用が可能です。
デスクトップ型よりも拡張インタフェースは少ないですが、使用場所が固定されないメリットは大きいといえるでしょう。高度な処理を行わないのであればシンクライアント端末としてはモバイル型で十分です。
既存のPC(FAT PC)にUSB接続するだけでシンクライアント化することができるタイプです。最小限のOSや必要データはUSBデバイス内に搭載されているため、既存PCは画面表示するためのモニタとして機能します。
新たにシンクライアント用の端末を購入する必要がないため、すでに会社でモバイルPCを支給している場合に向いています。小型なので持ち運びしやすいですが、紛失リスクが高くなるのがデメリットです。
既存のPC(FAT PC)に専用ソフトウェアをインストールすることでシンクライアント化できるタイプです。ソフトウェア型なので追加のハードウェアを一切購入することなくシンクライアント環境を整備できます。
サーバー側で端末の更新・設定が可能で高いセキュリティレベルを確保でき、コスト削減にもつながるのがメリットです。ユーザー数が多く、大規模なシンクライアント化を実行する場合に向いています。
シンクライアントは新たなネットワーク作業形態として注目されましたが、いくつかのデメリットがあります。そうしたデメリットを解消し、シンクライアントよりも低コストで同等のセキュリティを実現する仕組みとしてデータレスクライアントが生まれました。
データレスクライアントはサーバーにデータのみ保存し、処理は端末側で行うため一定のパフォーマンスを維持できます。また端末の一時領域に作業環境をダウンロードすることでオフライン状態でも作業継続が可能です。
データレスクライアントはシンクライアントの基本コンセプトを受け継ぎながら、次世代のネットワーク作業環境を実現する仕組みとして期待されています。