ここでは、企業がデータレスクライアントを導入することで、どのようなメリットが得られるのかについて解説しています。また、良い点だけでなく注意すべきポイントやデメリット面についてもまとめました。
クライアントPCの中でローカルドライブにデータを残さずに処理のみを行うものを、データレスクライアントといいます。データはすべて専用サーバーに保存されますが、処理はPC側で行うためサーバー負荷が抑えられるのが特徴です。
データレスクライアントで扱ったデータはすべてサーバー側に保存されるため、PC側のデータはゼロの状態になります。したがって、PCを紛失してしまったり盗難に遭った場合でも、データが抜き取られて外部に流出することがありません。そのため、機密情報の漏洩を防ぐ目的でデータレスクライアントを導入する企業が増えています。
ネットワーク環境さえ整っていれば場所を選ばず、社内でも社外でも使用できるのもデータレスクライアントのメリットの一つです。近年は働き方改革により多様な働き方が選択できるようになり、テレワーク導入の企業も増加しています。データレスクライアント導入後は、社外にいても社内で作業するのと同じ環境で仕事が可能です。
企業は自然災害やテロなどの緊急時においても自社の事業を守り、継続させることが求められます。データレスクライアントはデータが保存されているサーバーが壊れずに稼働していれば、リモート環境で業務の継続は可能です。そのため緊急時にも損害を最小限に抑えることができ、BCP(事業継続計画)対策にもなります。
データレスクライアントはデータはサーバーで管理しますが、処理についてはクライアント側のPCで行います。サーバー側で個々のPC管理できることは限られるため、OSやソフトウェアの更新・ネット環境の整備などはクライアント側での対応が必須です。そのため管理者は利用環境の管理を個別に行うことになります。
サーバー側にデータ保存することで情報漏洩を防止できるデータレスクライアントですが、利用者が勝手にUSBメモリなどにデータ移動してしまっては意味がありません。そのため、データレスクライアントの管理者は使い方を説明するだけでなく、運用ルールを決め、注意点などのすり合わせを全従業員と行うことが求められます。
ローカルドライブにはデータが存在せず、サーバーから読み込むことで作業が可能になるのがデータレスクライアントです。つまり、ネットワーク環境が整備されていなければ業務を進められないということを意味します。何らかの原因でネットワーク障害が発生した場合は、業務がストップしてしまう可能性があるということです。
ただし、オフライン利用にも対応している製品もあるようです。実現方法やセキュリティ面は違う可能性があるため、オフライン利用が想定される場合は、その実現方法やセキュリティ強度について確認をしてください。
本メディアではデータレスクライアント製品の見極め方から、各社データレスクライアントについて詳しく解説しています。これからデータレスクライアントの導入を検討されている方はぜひ参考にしてください。