セキュリティ強化のためデータレスクライアントを検討している企業は少なくありません。しかし、具体的な導入イメージがつかめずに決断を先延ばししている企業もあるでしょう。データレスクライアントを導入した事例を参考に、イメージを掴んでください。
ここでは、データレスクライアントを導入した企業の事例を紹介します。導入前の課題と選定したポイント、導入後の効果をそれぞれまとめているので、自社の課題に似た事例などを参考にしてください。
以前から利用していたVDIと混在する形で、在宅勤務とオフィス勤務を柔軟に選択できるワークスタイルをリモートデスクトップでスタートしましたが、シェアオフィスへの移転に際し、リモートデスクトップの接続先PCの設置スペースを確保できず、VDIの高コストとユーザビリティの問題も抱えていました。特に、VDIでは年間1人当たり約4万円の費用がかかり、動作が遅いとの不満も多く寄せられていました。
非公開型VPNを搭載したデータレスクライアントを選定しました。Windows PC上に、通常のユーザー領域から隔離した安全な業務専用の領域を生成し、領域内で保存したデータを終了時に削除するシステムです。自宅やシェアオフィスでセキュリティを確保しつつ、同一PCで業務を継続できる点が魅力でした。また、AD連携機能により自社のセキュリティポリシーを一括適用でき、管理効率も向上しました。
約70名がデータレスクライアントに移行し、リモートデスクトップ用のPC置き場を撤去しました。VDIのリプレースが不要となり、VDIのサーバー費用とユーザーライセンス5年分にあたる約400万円のコスト削減に成功しました。従業員からは操作性が向上したとの声もあり、業務環境が大幅に改善されました。
参照元:CACHATTO( https://www.cachatto.jp/case/detail/e-jan.html )
従来のPC環境では、データ管理やセキュリティの確保が困難で、特にオフライン作業時にデータ損失のリスクが高まりました。また、IT管理者は多くの端末を個別に管理する必要があり、運用コストや手間が増大していました。さらに、リモートワークの普及に伴い、柔軟な働き方を実現するためのITインフラの整備が急務となっていました。
MicrosoftのOneDrive for Businessと連携し、データを自動保存することでオフライン環境でも作業できることを重視してデータレスクライアントを選定しました。セキュリティを強化しつつ、利便性を向上させることができました。セットアップやセキュリティポリシーの適用が簡略化され、IT管理者の負担も軽減されました。
7,036台のデータレスPCを展開し、民間企業での導入実績が1位となりました。データが自動保存されるようになり、オフライン環境でも作業ができるので、業務の柔軟性が向上しました。セットアップやセキュリティポリシーの適用が簡素化されたことが、IT管理者の負担軽減につながっていることも見逃せない効果です。さらに、顔認証機能やリモートワイプ機能により、セキュリティも強化され、安心して業務を行える環境が整いました。
参照元:横河レンタリース株式会社( https://www.yrl.com/news/2024/detail_240926.html )
従業員が扱う情報の秘匿性が高く、社外への業務用PCの持ち出しができない厳格なセキュリティ管理を求められていました。特に、Windows 7のサポート終了を控え、業務用PCの刷新が必要になった際、従業員からは利便性の向上が求められました。しかし、PC持ち出しによる情報漏えいリスクが懸念され、セキュリティを保ちながら業務効率を向上させるためのソリューションが求められていました。
VDIに比べて圧倒的に少ない工数でディスクレスPCと同様の環境を実現できる革新性と、PC上に元データが残らない秘密分散技術による安全性を重視して、業務用PCの持ち出しを可能にするデータレスクライアントを選定しました。盗難や紛失時にはデータの不正使用を即座に阻止できるセキュリティ運用の効率性も大きな魅力でした。
約1,200台の業務用PCにデータレスクライアントを導入し、セキュリティを強化しつつ、テレワーク体制へ迅速に移行できました。コロナ禍において、リモートワーク用のPC台数を100台から700台に増加させる必要があった際、スムーズな対応が可能となりました。また、PCの紛失や盗難時にもデータ漏えいを防ぐ仕組みが整備され、業務の安全性が大幅に向上しました。
参照元:ZENMUTECH( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000027296.html )
PCの盗難や紛失による情報漏洩リスクが常に懸念されていました。従来のディスク暗号化やユーザーデータをクラウドストレージに保存するルールでは万が一の際にデータが窃取される可能性が残っていました。また、セキュリティ対策への不安が払拭できず、より強固な情報保護手段を講じる必要がありました。
強固なセキュリティを求めつつも、導入の手間が少ないソリューションを探していました。選定したサービスは、PC上にデータを残さず、オフラインでも利用可能な利便性がありました。また、万が一の盗難や紛失時にはデータの不正使用を防ぐためのロック機能が備わっていて、安心感を提供してくれることが決め手です。さらに、クラウドベースのサービスなので、新たなシステム構築が不要で、コストパフォーマンスにも優れていました。
PCの紛失や盗難時でもユーザーデータをしっかりと保護できるようになりました。PCがオンラインの状態であっても外部ストレージにロックをかけることで情報流出を防止できます。PCの紛失や盗難は「情報漏洩」ではなく「機材の紛失」と位置づけられるようになりました。また、社内で得たノウハウは顧客企業へのサポートにも活用され、情報漏洩対策の強化が進んでいます。
参照元:ZENMUTECH( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000027296.html )
テレワーク環境の構築に際し、Windows Update時のネットワーク帯域が不足し、業務に支障をきたしていました。また、セキュリティと使い勝手の両立が求められる中で、従業員が快適にリモートで作業できる環境を整えることが急務でした。既存のITインフラでは、セキュリティ対策が不十分であり、情報漏洩のリスクも懸念されていました。
テレワーク環境の構築において、Windows Update時のネットワーク帯域不足を解消する必要がありました。選定したソリューションは、使い勝手とセキュリティを両立できる点が大きな魅力でした。また、導入にあたって提供元からの手厚いサポートが受けられることも決定的な要因です。安心して運用を開始できる体制が整いました。実用性とサポート体制の両面から判断して選びました。
Windows Update時のネットワーク帯域不足が解消され、業務の効率が大幅に向上しました。快適なテレワーク環境で作業できるようになり、使い勝手とセキュリティを両立した新たな働き方進めることができました。また、手厚いサポートが受けられることで、運用面でも安心感が増し、トラブル発生時の対応も迅速になりました。全体的な業務効率や従業員満足度が向上し、企業全体の生産性向上にも寄与しています。
参照元:Flex Work Place( https://www.yrl.com/fwp/casestudy/detail_30/)
データレスクライアントの導入事例を紹介してきました。課題は企業ごとに異なりますが、データレスクライアントの導入によって、セキュリティ面での安心と業務の柔軟性が高まったことが共通の効果となっています。データレスクライアントを導入すれば、PCを紛失してもデータが外部に流出することがありません。導入事例を参考に、自社に合うデータレスクライアントの導入を検討してみてください。