こちらの記事では、データレスクライアント導入にあたって予想されるトラブルやあらかじめ注意しておきたい点についてまとめています。今後導入を検討している場合には、ぜひこちらの記事を参考にしてください。
データレスクライアントの導入にはさまざまなメリットがありますが、あらかじめ発生する可能性があるトラブルや注意点について把握し、対策を立てておくことも大切です。トラブルがあってから対応を考え始めるのでは遅いこともあると考えられるため、どのようなトラブルや注意点があるのかを見ていきましょう。
VDIと比較した場合、頻度は少ないといわれていますが、データレスクライアントにてキャッシュを保存した場合には、社内サーバーやクラウドとの通信が発生します。この点から、通信状況によっては操作が一時的に不安定になる可能性も考えられます。また、何らかの原因によってネットワークに障害が発生してしまった場合には、業務が止まってしまうという影響が出てくることもあり得ます。
読み込みのスピードが、通信状況などに左右される場合もあります。例えばサーバーとの通信状況が思わしくない場合や、サーバーにアクセスが集中している状況の場合には、データの読み込みに時間がかかる可能性も考えられます。
あまりにもデータの読み込みに時間がかかってしまうと、スムーズに作業が出来ず業務に支障が出てくることがあるかもしれません。何より、データの読み込みに時間がかかった場合、作業を行う上で非常にストレスを感じてしまうこともあります。
データレスクライアントは、データはサーバーにて管理を行いますが、処理はクライアント側のPCで行います。そのため、サーバー側で管理できる項目には限界があります。例えば、PCやOSのソフトウェアのバージョン管理やネットワーク環境の整備などについては一元管理できないため、それぞれのPCについて管理者が個別に対応していく必要があります。この場合、管理する台数が多ければ多いほど、管理者の負担が大きくなるという点に注意する必要があります。
企業においてデータレスクライアントを導入する場合には、従業員に向けてあらかじめ研修を行う必要があります。例えば、データはクライアントPCには保存されずサーバー側に保存されるといった仕組みや使い方、運用ルールなどについて理解してもらうことで、できるだけスムーズに運用ができるように対応しておくことが大切になってきます。
ただし、従業員でも習熟度の差が出てくることが考えられますし、使用している間に疑問やトラブルが発生する可能性もあることから、導入後に従業員が問い合わせできるサポート体制を確立しておくこともポイントといえます。
データレスクラアントを導入するにあたっては、データの取り扱いに関するルールをあらかじめ整備しておくことが必要になってきます。これは、サーバー側にデータの保存を行うことによって情報漏洩を防止できる点がデータレスクライアントの強みであるものの、利用者が勝手にUSBメモリなどにデータを移すなどしてしまうと意味がなくなってしまうためです。 このような点から、USBメモリや特定のローカルドライブなどへのデータ保存について許可するか否かについてはルールに盛り込んでおくことが必要です。さらに、ルールを作成した後はデータレスクライアントの使用方法と一緒に従業員に伝えてください。従業員が運用にある程度慣れるまでは問い合わせが一定数舞い込むことも考えられますので、管理者側で問い合わせへの準備をしておくことも大切です。
データレスクライアントを導入する場合、「オフライン利用へ対応している製品かどうか」についてあらかじめ確認しておくことが必要となります。例えば社外にいる場合には、オフラインでPCを使う必要が出てくるケースもあります。このように、オフラインでもデータを保存できるような製品でない場合には、データを保存できない、データの不整備が発生するといった可能性が考えられます。 もし、外でPCを操作することが多く、オフラインで利用を必要とする状況が想定されるのであれば、オフライン利用に対応した製品を選ぶことが必要になってきます。さらに、オフライン時のデータアクセス方法や、どのような流れで同期が行われているのかを確認して、自社のニーズに合ったものを選ぶようにしてください。
データレスクライアントの導入にはメリットがあるものの、注意点もいくつかあります。導入にあたっては、あらかじめどのような点に注意すべきかを把握してください。その上で、製品の機能やオプションについて十分に確認を行い、適切な運用ルールを策定することが重要です。