シンクライアントは大まかには、データ処理を端末側ではなくサーバーで行う仕組みで、ネットブート型・画面転送型の2種類に大別されます。ここでは、それぞれの違いやメリット・デメリットについてまとめました。
サーバー上にあるイメージファイルをネットワークを介してダウンロードして、クライアント端末側で起動する方式です。ダウンロード後は通常のFAT端末と同じ操作感で利用できるのがメリットです。
その一方で、ダウンロードには、相応のネットワーク帯域やスペックが必要でダウンロードに時間がかかるため起動まで遅くなります。また、ユーザーごと異なる環境を用意するには、それぞれイメージファイルが必要になり、管理が煩雑になるのがデメリットです。
サーバー側で処理した結果をクライアント端末側に表示させる方式です。画面転送型はさらに、ブレードPC型・サーバーベース型・デスクトップ仮想化(VDI)型の3つの方法に分けることができます。それぞれの特長は以下のとおりです。
サーバー内にユーザーごと1枚のブレード(基盤)にメモリ・CPU・ハードディスクなどPCデスクトップ環境に必要なもの備え、クライアント端末を1対1で接続する方式です。マシンを共有しないため高いパフォーマンスが得られます。
操作環境は快適で、グラフィック処理やCADにも対応しますが、ユーザーの数だけブレードPCやソフトウェアライセンスなどが必要になるため、導入コストが高く管理・運用にも手間がかかるのがデメリットです。
1つのサーバー内にある同じアプリケーションをすべてのユーザーが共有する方式です。ハイスペックなサーバーを用意する必要がなく、導入コストも抑えられるメリットがあります。
その反面、アクセスが集中してしまうとサーバーの処理能力を超えてしまい、動作不良などの不具合が生じる可能性があります。また同じアプリケーションを共有するため、デスクトップ環境の自由度がなくなってしまうデメリットがあります。
サーバー上に複数の仮想のデスクトップ環境を作成し、ユーザーごとのクライアント端末からアクセスする方式です。ブレードPC型とサーバーベース型を合わせたような仕組みとなっており、コストを抑えられるのがメリットです。
仮想マシンとしては独立しているため、アクセスが集中しても影響が出にくいのが特長で管理もしやすく、シンクライアントではこの方式が主流となっています。ただし仮想環境の管理の手間がかかるのがデメリットです。
シンクライアントは新たなネットワーク作業形態として注目されましたが、いくつかのデメリットがあります。そうしたデメリットを解消し、シンクライアントよりも低コストで同等のセキュリティを実現する仕組みとしてデータレスクライアントが生まれました。
データレスクライアントはサーバーにデータのみ保存し、処理は端末側で行うため一定のパフォーマンスを維持できます。また端末の一時領域に作業環境をダウンロードすることでオフライン状態でも作業継続が可能です。
データレスクライアントはシンクライアントの基本コンセプトを受け継ぎながら、次世代のネットワーク作業環境を実現する仕組みとして期待されています。