現在、多くの企業でテレワークを導入や、モバイル業務が増加し、PCにおける情報漏洩リスクはかつてないほど高まっています。こちらでは、データレスクライアントによる情報漏洩対策についてまとめています。データレスクライアントが情報漏洩防止に有効な理由についてまとめていますので、導入を検討している方、セキュリティを高めたいと考えている方などはぜひ参考にしてください。
データレスクライアントとは、端末にはデータを残さずにデータの処理のみを行うPCです。ファイルなどのデータはクラウドや専用のサーバにて一元管理し、必要に応じてキャッシュのみを一時的にローカル環境にダウンロードして作業を行い、作業後には自動で削除します。サーバにバックアップを残しオフラインで作業できるので、万が一端末の紛失や盗難に遭ったとしても、端末から情報が漏洩することを防止することができます。
前述の通り、データレスクライアントの導入によって情報漏洩リスクを軽減できます。例えば端末の紛失や盗難が発生しても、その端末の中にはデータがないので情報が漏洩してしまうリスクが減少します。
さらに「リモートワイプ機能」を使用することで、端末紛失時にも速やかにデータを消去でき、データそのものはリアルタイムでのバックアップとバージョン管理を行っていくことで、安全に保持できます。
ランサムウェアとは、感染するとパソコンなどに保存されているデータの暗号化を行い、使用できない状態にした上で、データを複合する対価(金銭など)を要求する不正なプログラムです。このランサムウェアの被害は増加傾向にあり、企業では対策を行うことが必要です。
データレスクライアントの場合、データを保存しないので、ランサムウェアやサイバー攻撃によって重要なデータを暗号化されてしまうリスクも軽減できます。感染してしまったローカルデータの影響を最小限に抑えることができます。
さらに、サーバ側にてロールバックできるので、感染前の状態への復旧が可能である点に加えて、AIによるリアルタイム監視を行うことによって、不審行動を検知できます。
業務で使用するデータは、クラウドまたは専用のサーバ上にて一元管理を行いますので、災害等が発生した場合にデータが消失するリスクを軽減できます。また、クラウドやサーバに保存されているデータはバックアップとしても活用できるので、業務を迅速に再開できます。データレスクライアントはBCP(事業継続計画)においても強みを持っている運用方式です。
データレスクライアントは企業のデータにおける安全性を高めるという観点からも有効な方法です。しかしその安全性をより生かすためには、適切に運用していくことが必要です。
例えば、ネットワーク環境の整備やアクセス権の管理、データや端末を利用するユーザへの教育、運用ルールの周知・徹底を行うことなども大切です。さらに、障害が発生した場合のバックアップ体制に加えて、リスク管理についても検討した上で導入・運用を行っていくことが重要です。
データレスクライアントによる情報漏洩対策について解説してきました。ここまでご紹介したとおり、データレスクライアントはPCにデータを残さずに済むため、情報漏洩のリスクを効果的に最小化する強力な仕組みです。この方式を導入することによって、安全な業務環境の構築に繋げることができます。